はじめに
WebデザインをリッチにするためにはCSSは欠かせません。
React.jsではJSXという記法を用いてHTMLを記述しますが、HTMLにCSSを当てる方法は様々なものがあります。
この記事ではそのCSSを当てる方法を4つ紹介します。
目次
- シンプルなCSSファイルの読み込み
- CSS Modules
- CSS Modulesを使用したclass名によるスタイリング
- CSS in JS
- styled-jsx
- styled-component
- まとめ
- 参考記事
シンプルなCSSファイルの読み込み
create-react-app
でReact Applicationを作るとsrcフォルダ内のindex.cssやapp.cssはシンプルなCSSファイルの読み込みをすることでスタイルを適用させています。
create-react-app==3.3.0
のコマンドで生成されるindex.jsは、デフォルトでは以下のようになっています。
import React from "react";
import ReactDOM from "react-dom";
// カレントディレクトリにあるindex.cssの読み込み
import "./index.css";
import App from "./App";
import * as serviceWorker from "./serviceWorker";
ReactDOM.render(<App />, document.getElementById("root"));
...
serviceWorker.unregister();
import "./index.css";
の部分でindex.cssファイル読み込み、ファイル全体にCSSを適用させています。
index.cssファイルにはcssが記述されており、単純にそれを読み込んでいるだけのシンプルな方法です。
body {
margin: 0;
font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, "Segoe UI", "Roboto", "Oxygen",
"Ubuntu", "Cantarell", "Fira Sans", "Droid Sans", "Helvetica Neue",
sans-serif;
-webkit-font-smoothing: antialiased;
-moz-osx-font-smoothing: grayscale;
}
code {
font-family: source-code-pro, Menlo, Monaco, Consolas, "Courier New",
monospace;
}
この方法はページ全体にglobal cssとして使用する場合には問題になりません。
しかしtagやclassを指定したり疑似要素にスタイルを当てる場合には、どこでどのような上書きがされるかわからなくなる可能性があるためあまり向いていません。
CSS Modules
CSS Modulesを使用したclass名によるスタイリング
CSS ModulesはCSS設計でよく使われます。
React.jsで使用する場合はcss-loaderのCSS Modules、react-css-modulesまたはbabel-plugin-react-css-modules のいずれかを組み入れる必要がありますが、react-create-app
でApplicationを立ち上げた際はデフォルトで使用できます。
CSSをそれぞれの要素に当てる際にはdivタグでclass名をつけたりしますが、CSSはグローバルスコープなのでclass名がかぶっていた場合は最初に書かれたclass名のCSSが後のものに上書きされてしまいます。
そのため他の名前と干渉しないようにユニークな名前を考える必要性がありますが、毎回それを気にして命名するのは大変です。
ですのでCSSファイル名の語尾を.module.css
とするとCSS modulesが適用され自動でユニークなclass名を割り振ります。
A CSS Module is a CSS file in which all class names and animation names are scoped locally by default.
CSS Modules: https://github.com/css-modules/css-modules
以下のように使用できます。
/* Post.module.css */
.Post {
width: 250px;
padding: 16px;
text-align: center;
border: 1px solid #eee;
box-shadow: 0 2px 3px #ccc;
margin: 10px;
box-sizing: border-box;
cursor: pointer;
}
.Post:hover,
.Post:active {
background-color: #c0ddf5;
}
.Author {
margin: 16px 0;
color: #ccc;
}
// Post.js
import React from "react";
import classes from "./Post.module.css";
const post = props => (
<article className={classes.Post} onClick={props.clicked}>
<h1>{props.title}</h1>
<div className={classes.Author}>{props.author}</div>
</article>
);
export default post;
ブラウザ上では表示されたHTMLを確認すると<article class="Post_Post__2uao7">
とクラス名が振られています。
これがCSS Modules側で自動的に振られたユニークなIDです。
CSS in JS
CSS ModulesではCSSファイルを別に用意しますが、CSS in JSではJavaScriptファイルに直接CSSを記述できます。
CSS in JSではCSSファイルを用意する必要のないためフォルダ構造がスッキリ整理できますが、CSSがJSファイル内に書かれているため慣れないと理解しにくいのがデメリットになります。
今回はsyled-jsxとstyled-componentの2つを紹介します。
styled-jsx
jsx内に書かれるタグへCSSを適用できます。
create-react-app
で作成したApplicationに適用するためにはpackageのインストールとejectして設定ファイルに書き込む必要があります。
# create-react-appを使用してApplicationを作成した後
# packageのインストールとeject
$ npm install --save styled-jsx
$ npm run eject
// package.jsonのbabelの設定の編集
"babel": {
"presets": [
"react-app"
],
// 以下を追加
"plugins": [
"styled-jsx/babel"
]
},
これで<style jsx>
タグが使用できるようになります。
このタグを使い、直接JSXにスタイルを指定して当てることができます。
// Post.js
import React from "react";
const post = props => (
<React.Fragment>
<article className="Post" onClick={props.clicked}>
<h1>{props.title}</h1>
<div className="Author">{props.author}</div>
</article>
<style jsx>
{`
.Post {
width: 250px;
padding: 16px;
text-align: center;
border: 1px solid #eee;
box-shadow: 0 2px 3px #ccc;
margin: 10px;
box-sizing: border-box;
cursor: pointer;
}
.Post:hover,
.Post:active {
background-color: #c0ddf5;
}
.Author {
margin: 16px 0;
color: #ccc;
}
`}
</style>
</React.Fragment>
);
export default post;
styled-component
これは文字通り、CSSをComponentとして記述して割り当てることができるものです。
styled-componentを使用できるpackageは様々なものがありますが、今回は後発でほぼすべての機能を使用できるemotionを使用します。
Emotion is a performant and flexible CSS-in-JS library. Building on many other CSS-in-JS libraries, it allows you to style apps quickly with string or object styles.
emotion: https://github.com/emotion-js/emotion
Reactでは特に設定しなくてもインストールすれば使えます。
$ npm install --save @emotion/core @emotion/styled
以下のようにCSSでコンポーネントを作成して適用できます。
import React from "react";
import styled from "@emotion/styled";
const Article = styled.article`
width: 250px;
padding: 16px;
text-align: center;
border: 1px solid #eee;
box-shadow: 0 2px 3px #ccc;
margin: 10px;
box-sizing: border-box;
cursor: pointer;
:hover,
:active {
background-color: #c0ddf5;
}
.Author {
margin: 16px 0;
color: #ccc;
}
`;
const post = props => (
<Article className="Post" onClick={props.clicked}>
<h1>{props.title}</h1>
<div className="Author">{props.author}</div>
</Article>
);
export default post;
articleタグとその中のclassにCSSを割り当てる<Article />
というComponentを作り、使用しています。
このようにCSSをComponentとして定義して使用するのがstyled-componentです。
emotionでは他にもstyled-componentにpropsを渡して使い分けを行ったり、適用するタグを変更したりする等々、様々な機能があります。
詳しくはemtionの公式ドキュメントをご覧ください。
使い方とそのコードが書かれており、サイト内で試すことができるので比較的分かりやすいでしょう。
styled
is a way to create React components that have styles attached to them. It’s available from @emotion/styled.styled
was heavily inspired by styled-components and glamorousEmotion (Styled Components): https://emotion.sh/docs/styled
まとめ
今回はReact.jsで使われているCSSスタイリングの話でした。
CSSスタイリングはエンジニアそれぞれの考え方によっても何を使うか変わります。
参考記事にもあげましたが、CSS ModulesかCSS in JSが人気で、どちらを使うかは意見が分かれているようです。
ただしどの書き方もコードをスッキリ書ける工夫が詰まっていて学ぶだけでも面白いので、ぜひこの機会にキャッチアップしてみると知見も深まって楽しいのではないでしょうか。
参考記事
styled-jsx
https://www.npmjs.com/package/styled-jsx#getting-startedReactのコンポーネントのスタイリングをどうやるか
https://qiita.com/lightnet328/items/218eb1c4a347302cc340#3-css-modulesReactにおけるCSS ModulesとCSS in JSの話
https://blog.ikeryo1182.com/react-style/堅牢なCSSをReactに手軽に実装できるstyled-jsx
https://inside.dmm.com/entry/2018/05/14/react-styled-jsx